理学療法 運動療法のリスク管理

運動療法の注意点・リスク管理について
Ⅰ.可動域運動
 ・運動は疼痛の生じない範囲で、しかも身長運動にならないように過度に力を加えないこと
 ・治療関節のアクセサリームーブメントを評価してから行なうこと
 ・治療中・後は全身状態を監視し、特にバイタルサイン(アンダーソンの基準)、疼痛には注意を払うこと
 ・治療反応は観察し記録すること
Ⅱ.筋力増強練習
 ・患者の特性を理解しておく
 ・合併症に注意(呼吸器、循環器、肝・腎障害など)
 ・運動中の血圧、脈拍の変動に注意⇒特に等尺性収縮運動は血圧上昇をまねく恐れあり
 ・一応の目安としてはアンダーソン(1・土肥(2の基準がある。
   (高齢者や呼吸器疾患など、一部の患者には安静時脈拍数が多いため適応できない場合がある)
 ・運動方向・代償作用の有無・運動負荷の量などに注意
 ・翌日まで疲労が残らないようにすることが原則
Ⅲ.持久力増強訓練
 ・チアノーゼなどを起こさせないように注意
 ・血圧、脈拍、呼吸などの変動に注意
 ・顔貌、顔色、運動の様子など疲労に注意しながら訓練すること
 ・過用性損傷の防止
 【筋持久力訓練】
 一日に何度行なうかは、患者の状態を把握し、その患者の体力に合わせて決定する。その際、過労にならないよう、筋に痛みを生じさせないように注意すること
 
【全身持久力訓練】
最大予測心拍数(最大心拍数=220-年齢)または最大酸素摂取量を基準に運動強度を決定する。呼吸・循環器系を刺激し、それらの機能を向上させるためには最大予測心拍数の60~90%まで心拍数を上げなければ効果がない。
健常成人:最大予測心拍数60~70%(最大酸素摂取量50~65%)
心疾患 :50~65%程度からスタート
老 人 :40%程度
長期臥床している患者は、安静時脈拍数より運動時心拍数が30回/分以上上昇しない運動をすること
普段あまり運動を行なっていない患者は、安静時脈拍数より運動時脈拍数が60回/分以上上昇しないように運動すること
1)アンダーソンの基準
①安静時脈拍数が100以上では訓練をしない。
②訓練中、息切れ・めまい・宙にういた感じ・胸部痛・チアノーゼが出現した場合、訓練中止。
③訓練中脈拍数135~140を越える顆、または不整脈が出現した場合、訓練中止。
④訓練後、2分間の休息で脈拍数が訓練前の値+10以下に戻らない場合葉訓練中止。
⑤徒手的抵抗訓練は、四肢を対象とする場所は各肢ごとに分けて行なうこと、訓練中及び訓練2分後の脈拍をとり上記の基準に応じる。
⑥患者歩行時は、歩行開始直後と練習後2分の脈拍をとる。
⑦両側性の四肢訓練あるいは体幹の訓練の際には、10分おきに休息を与える。そして脈拍をとり、更に2分後に脈拍をチェック。
⑧もし不整脈がある場合は、脈拍を15秒出なく30秒とり、心尖心動部においても測定すること
2)土肥の変法基準
 ①訓練を行なわないほうがよい場合
安静時脈拍数が120/分以上
拡張期血圧120以上
収縮期血圧120以上
労作狭心症を現在有するもの
新鮮心筋梗塞1ヶ月以内のもの
うっ血性心不全の所見の明らかなもの
心房細動以外の著しい不整脈
訓練前すでに、動悸・息切れのあるもの
 
②途中で訓練を中止したほうがよい場合
訓練中、中等度の呼吸困難・めまい・傴気・狭心痛が出現した場合
訓練中、脈拍数が140/分以上こえた場合
訓練中、1分間10個以上の期外収縮が出現するか、または頻脈性不整脈あるいは徐脈の出現した場合
訓練中、収縮期血圧40mmhg以上または拡張期血圧20mmhg以上上昇した場合
③一時中止する場合
1、脈拍数が運動前の30%をこえた場合、ただし、2分間の安静で10%以下に戻らぬ場合は以後の訓練を中止するかきわめて軽労作のものに切り替える。
2、脈拍数が120/分以上をこえた場合
3、軽い動悸・息切れのあるものを訴えた場合